左手のためのピアノ曲「3 Capriccio」を「ワンハンド・ピアノフェスタ!」で初演していただきました

2021年に開催された、
「ウィトゲンシュタイン記念 左手のピアノ国際コンクール」作曲部⾨に応募しました。

選は出来なかったのですが、
同主催団体によるコンサート「ワンハンド・ピアノフェスタ!」で初演していただく機会に恵まれ、
昨日コンサートにお邪魔しました。

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演奏していただいたのは、同コンクール 第1回 プロフェッショナルピアノ部門3位の早坂眞子さん。

実はこのコンクール関連で片手のピアニストの方を色々調べていたときに、
早坂さんはアー写が独特でただならぬ人?!みたいな・・
個性的な雰囲気ですごく印象に残っていたんですよね!
だから演奏してくださるのが早坂さんだったのもとても嬉しかったです。

作曲部門に応募された25作品の中から、
早坂さんによって2曲選んでいただいたうちの1曲が、私の書いた「3 Capriccio」だそうです。


この作曲コンクールの応募時期は、ちょうどコロナ真っ只中だったのを覚えています。
確かFacebookで作曲部門の応募をしているのを偶然見つけました。

当時はライヴ活動を全くできていない状況だったいうこともあり、
所謂クラシック曲はしばらく書いていなかったのですが思い切って応募することに。

片手だけのためのピアノ曲は全く書いたことがなかったです。
正直なところ、恥ずかしながら片手のためのピアノという世界があるのをほぼ知らなかったです・・・

第一次世界大戦で右手を失ったピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタインは、
1916年当時、左手だけで演奏できる曲目は2つだけしかなかったため、
作曲家たちに左手だけの演奏曲を依頼したのだそうです。

まずはどんな曲があるのか?調べてみたのですが、
プロフェッショナルなピアニストのために書かれたような高度な曲はたくさんあるんだなぁと率直に思いました。
(私が知らないだけというのもおおいにありそうですが・・・)

たぶん…ヴィトゲンシュタインのように、もともとピアノをバリバリ弾いていたけど、
病気や故障によって片手でしか演奏できなくなってしまった
プロフェッショナルなピアニストが結構多いからなのではないかな?と。

そこで、自分の中のテーマとしては、
比較的譜読みも技術的にも難しすぎず(といっても自分は左手だけでは弾けないんですが・・・)
調性があって聴き手にとっても馴染みやすいような曲にしようと取り組みました。


前置きが長くなりましたが、早坂眞子さんによる初演!
しなやかな演奏が本当に素晴らしかくて震えました・・・

短い3つのセクションに分かれていてそれぞれキャラクターが異なるのですが、
表情豊かで繊細で、こんな風になるんだぁと驚きの連続!
まだ大学院修士課程1年生でこれからのご活躍が楽しみです。


合わせて初演された、小笠原周平さんの『アンデルセン童話より「マッチ売りの少女」』
は情景が目に浮かぶような素敵な曲でした。

また、最後には団体代表の智内威雄さん(NHKのドキュメンタリー番組でご存知の方もいるかもしれません)
のミニコンサートもあり楽しませていただきました。

言わずもがな貫禄のある素晴らしい演奏でした。

子供たちとのワークショップで作られた曲も演奏されていて、
幅広い取り組みをされているのだと知りました。


終演後には懇親会が開かれ、智内さん早坂さんとお話しできました。
ちなみにお二人とも私と同じ東京音大出身で、
早坂さんは私の曲を演奏するにあたり智内さんがレッスンしていただいたそうです!
(智内さんは東京音大のピアノ講師としてもご活躍されています)


実は智内さんにずっとお伝えしたかったことがあって。

作曲部門に25作品の応募があって、入選した作品と、そうではないものがあって。
一般的なコンクールだと、落選した作品って日の目を(そのコンクールでは)浴びないものだと思うんですよ。

なのにこうして落選した私の作品も取り上げていただけるなんてびっくりしましたし嬉しかったです。
入選作品の中だけから早坂さんに選んでもらうことも出来たと思うので。

そんなことをお話ししたら、
「ただ単に順位をつけるんじゃなくて、ここから歩み出して欲しいと思っているからなんです」
とお話ししていただきました。

智内さんご自身がジストニアで右手が弾けなくなった苦難を乗り越えられて、
それがきっかけとなり「左手の音楽の社会化」のために普及活動にも注力されているからこそ、
その言葉に重みがあるなと感じました。


最後に、早坂さんと写真撮らせてもらいました♡
ピアノだけでなくキャラクターも素敵で、すっかりファンになっちゃいました。笑
ありがとうございました!

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